キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
海辺のヒーロー
空は晴天、気分は上々、体調は絶好調‼
まさに海日和な日。
私たち四人は電車に乗り込み、かれこれ一時間。
道中、陽亮からの電話の事を知らないカエデとツバキに話すと質問責めに合った。
「陽亮君、ホントに来るかなぁ?」
カエデがニヤニヤ笑い、人事だと思って楽しそうに何かを想像しながら呟く。
「でも行き先とか知らないんでしょ?来ないんじゃない」
もっともな意見を言うツバキにカエデは残念そうにオーバーなリアクションで指を鳴らす振りをする。
「でもさ。この辺りの人が海水浴くるのって、R海岸しかなくない?」
サクラって惚けた性格なのに、時々鋭い事を言うなぁ。
って‼感心している場合じゃない。
陽亮に会ったらどんな顔すればいいのか、何を話せばいいのか。
あれ以来、電話もメールも来てないから私の心は不安と期待が混ざった不思議な気持ち。
……期待って、期待って何だ?
自分に自問自答する。
訳のわからない感情に支配されつつも深く考えたりするのが苦手な私は、無理矢理陽亮の事を頭から放り出した頃目的地のR海岸に着いた。