キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
荷物の置いてあるビニールシートの上で陽亮が友達を紹介してくれた。


「コイツ、中学の時の連れの和希」


和希君は陽亮の友達にしては爽やか系で、ニコリと微笑む口から見える白い歯が光りそう。


「和希でーす、よろしく」


あっ。
喋るとアホっぽいから間違いなく陽亮の同類だ。


「カッエデで~す‼こっちはツバキとサクラね」


カエデも負けず劣らずアホな自己紹介の仕方で、類は友を呼ぶんだなぁと納得してしまう。


「で、この子がアズサちゃん?」


和希君は私の名前を知っていますと言わんばかりに私を指さす。


「はい、そうですけどなんで……」

「名前知ってるかって?だって陽亮が‥」
「だーーー‼和希、余計な事言うなよッ」


陽亮は和希君の口を押さえ、続く言葉が気になる所で遮ってしまう。

『陽亮が…‥』の続きはもしかして私の事を和希君にも話してたって事?


想像だけど、たぶん当たり。だって陽亮の顔は今来たばかりで日焼けして赤くなるはずないのに、髪の間から出た耳まで赤く染まっているんだもん。


そんな陽亮を見ると私まで照れてしまって、中学生のカップルみたいに二人でモジモジして新鮮だけど恥ずかしい空気に包まれてしまう。


「おい‼そこのバカップル。二人の世界に入らないの」


カエデの茶化す声でみんながこの場にいた事を思い出し、違う恥ずかしさが込み上げる。


別に陽亮とカップルじゃないもんっ。

照れ隠しに一人心の中でツッコミを入れるけれど、陽亮の前であからさまに否定するのは助けてくれた陽亮に悪い気がして言えなかった。
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