キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
「でも陽亮に助けられた事には変わりないし、何かお礼したいんだけど……。あっ‼陽亮もうお昼済ませた?よかったら奢るよ」


まさか陽亮が本当に来るとは思っていなかったし、来たら来たでどういう態度を取ればいいのかが不安だった。


けれど、陽亮が来た事でもしかしたら大事になっていたかもしれない先程の出来事を救ってくれた感謝の気持ちを優先させたくて申し出てみた。


「昼飯ならさっき和希と食ったし。それにマジたいした事してないから気にするなよ」

「でも……」


それでは私の気がおさまらないし、正直ここで借りを作っておくと『俺と付き合って』みたいな状況になったら困りものだし。


素直に感謝している気持ち9割りと、1割りの駆け引き。

ズルイけれど、助けられたからといって陽亮と付き合うのは現時点では考えられない。



「アズがそこまで言うなら一つだけいい?」

「どうぞ。でも『俺のものになれ』ってのは無しね」


先に釘をさしておく。
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