キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
高校生にもなると、みんな大人っぽいので全然違う世界に踏み入れた感覚になる。

今まで私が過ごしてきた世界はチルドレンで、今いる世界はアダルトな面持ちを見せている気がした。



見渡すとメイクはもちろんの事、髪をコテでクルクル巻いた生徒もいる。

でも、興奮するのは新入生だけではない様で、大人びた顔をしている先輩達でさえ少し子供っぽくはしゃいでいる様にも見える。


私はそんな先輩達を横目で見ながらも、私の目を一瞬で捕えた桜の木を見上げて歩いた。





桜の木を見上げながら歩いていると、誰かにぶつかってしまい『キャッ‼』という声が下の方から聞こえた。


──ん?

下から??


下から声が聞こえた事が不思議に思い、声のした方に視線を落とす。


ぶつかってしまった子を見ると、私より10㎝くらいは背が小さく、なんとも可愛らしい子だった。


桜に心を奪われた時と同じく、今まで出会った事のない程の小さくて可愛いその女の子にも、女の私でさえ見惚れてしまった。

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