キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
集合場所のファミレスは、普段から頻繁に私たちが利用しているいつもの場所。
中に入ると、暑かった外の空気より10度以上低くて、うっかり長居すると風邪をひいてしまう。
けれどフリードリンクで一日中いる客も珍しくない。
中を見渡すと、サクラたちは冷房が直接当たらない特等席をちゃっかり確保して手を挙げて居場所を知らせてくれた。
久々に会うみんなの顔に自然と笑みがこぼれる。
私も席に着くなりドリンクを頼み、オレンジジュースを一気に飲み干して暑さでやられた体を潤す。
「は~~、生き返る‼」
「オヤジ臭いよ、アズサ」
こんなカエデの鋭いツッコミも久々で、それさえも嬉しくなってしまう。
会わなかった間にあった出来事や恒例のツバキとカエデの彼氏の惚気話を聞き終わる頃、私も自分の中のもやもやとした感情がある事を素直に話した。
みんなは驚きもせず……というより、目がエロ目になってる。
なに、この目は……
「それは恋と言う名の病……」
詩人気取りなカエデの目は、エロ目のままどこか遠くを見つめている。
恋??
私が陽亮に恋してるって事!?
「ありえないから‼‼」
そう断言してみたものの、イマイチ恋に疎い私は自信がない。
好きになった男の子は今までいる。けれど、それが何時だったか思い出せないくらいに恋をしていない。
『恋に恋をしている』状態の、未熟だった幼き頃。
今では冷静に振り返るとそんな状態だった気がするくらい、恋愛に対してそれほど興味が無かったようにも思える。
だから、陽亮への気持ちが恋なのかそれとも恋に恋をしているだけなのかがわからない。
「あのね、確かに陽亮君は軽そうだし何を考えてるかわからない部分もたくさんあるよ」
恋愛に関しては大先輩のツバキが私に恋のレクチャーをしてあげると前置きをして話し始めた。