キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
学校の門をくぐり生徒たちが行き交う中、陽亮と並んで歩く。いつもと同じ風景が私を安心させ、少しだけ緊張が解けた。


「明日も同じ場所で待ってるからさ」

「えっ?」

「そういう事だからもう少し明日は早く家出てね」


私が返事をする前に教室に着いてしまい、陽亮は友達のところへ行ってしまった。

ドアのすぐ横の自分の席に座る事も忘れ、その場で立ち尽くしてしまう。


明日もって……
毎日こんなに緊張して学校へ通うのは心臓に悪いよ。



「おはよっ‼何ぼーっとしてるの?」


サクラたちが揃って教室に来て、ドアを塞いでいた私に声を掛けてきた。


「見たよ~、陽亮君と一緒に来たみたいじゃん」


肘で私の腕をこついてカエデがニヤけた顔で言う。


「あれはっ‼」

「まぁ、まぁ。照れなさんなって」


違うから‼

いや……一緒に来たのは事実だけど、約束して来たわけじゃない。


完璧に誤解しているのを、わかりやすさ100点満点の表情をしているカエデたち。


「あれは、ちが」
「邪魔なんだけど」


誤解を解く前に、そんな事はどうでも良くなるくらい鼻を刺激するキツイ香水の香と目付きのアカリ。
< 146 / 307 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop