キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
マイカと並び、久々に復活した殺気は私だけではなくサクラたちをも襲う。


ドアを塞いでいたのは確かに悪い。
でもこの雰囲気はたぶん私と陽亮が一緒に来たのを見た事を物語っている。

私たちは言葉を発せず無言で道を開けると、肩をいからせながら前を通り過ぎて行く。


私はサクラたちと目配せをし、これはマズイとみんなの顔に浮かんでいた。



でも昼休みを過ぎる頃には、アカリから何も言われたりしなかったから忘れてしまっていた。


本日最後の授業の前の休み時間も、私たちの話題は朝、陽亮と登校して来た事で一色になっていた。



「だから、陽亮とは約束もしてないし何もないってば」


朝から繰り返し同じ事を言っていて、オウムになった気分。


「何もない訳ないでしょ。二人で仲良く学校に来たんだから。手くらいは繋いだ?」


あー!もうっ‼

ホントに会話すらままならない状況だって何度も説明してもカエデはどうしても信じてくれない。


サクラとツバキも困り果てた顔の私に助け舟を出してくれず、二人もニヤニヤとしているだけ。



「ゴメン、ちょっとトイレ行ってくるね」


サクラが突然思い立ったように席を立つ。
私も便乗してこの場から逃げたかったけど、残念ながらさっきの休みの間に行ったからカエデはそれを許してくれなかった。
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