キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
それから数分間、カエデの質問責めにうんざりしていたけれど、救いの神様徳山先生が今日の最後の授業を始める為に教室へ入って来た。


「チャイム鳴ったら席に戻れよ~」


普通は鳴る前にと言うけれどアバウト感漂う徳山先生らしい言葉を言い、徳山先生は自分の椅子に座ってチャイムを待っていた。


そういえばサクラ遅いな‥…。まさか迷ってるなんて……さすがに有り得ないか。


キーンコーンカンコーン…

チャイムが鳴り終わるか鳴り終わらないかの時にガラッとドアの開く音がした。


あっ、サクラが戻ってきたかな?


「遅かっ……」


振り向きながら言うけれど、そこにいたのはアカリで、最後の言葉を言う前にやめた。

アカリは私たちに不敵な笑みを浮かべながら私の前に座る。


授業が始まってしまったのでカエデとツバキも各々の席に戻ろうと立ち上がったけれど、サクラが戻って来ない事に不安げな表情。



サクラ……どうしたんだろう?

5分……10分と授業が始まり時間が過ぎて行く。


「サクラちゃん早退?」


小声で陽亮が囁き、私は小さく首を横に振る。


サクラは授業をサボるタイプでもないし、荷物も机の横に掛かったままだ。
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