キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
ゆっくりと扉が開き、中の人物を確かめようと覗き込んでみた。

「……ヒック……ヒック」


しゃくり上げながら出てきたのは間違いなくサクラだった。けれどその姿は休み時間中に見送った姿とは違い、全身がぐっしょりと濡れていた。


「どうしたの!?」


服と同じくぐっしょり濡れた瞳からは大粒の涙が零れ落ち、泣きじゃくるサクラ。


「誰がこんな事……」


サクラの涙を手で拭いながら、サクラをこんな目に合わせた誰かがいると思うと悔しさと怒りが込み上げて来た。



「ア、アカリちゃんとマイカちゃ……」


ポツリ小さく消え入る声で言う名前は想像通りで、私はサクラを置き去りにして教室まで足が勝手に走り出していた。


勢いよく開けた扉が一度壁に当たり、半分程跳ね返る。振り返るみんなの顔も先生の視線も跳ね退け、アカリの前に立つ。

アカリはかったるそうに私を見上げ、私の怒りの原因をわかっているのに知らぬ顔。それが私の怒りのボルテージを急激に上げた。全身が逆立ち、怒りで身体が震える。


アカリの服を強引に掴み立ち上がらせた。


「何するのよ‼」


威嚇的な態度にも負けず鼻が触れ合う距離まで顔を近付け、肺に目一杯空気を吸い込む。
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