キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
校舎の中に入ると、ズラリと並べられた下駄箱で自分のクラスの棚を探し、持って来た上履きに履き変えた。
ローファーを脱ぎ、あらかじめ教えられていた自分の出席番号の札が付いた箱の中に入れる。
下駄箱の前の廊下には、案内役の先輩たちがすでに数名いた。『先輩』とわかるのは、上履きの学年を表す色が違っていたから。
「入学おめでとう」
一人の先輩に話し掛けられ、自分のクラスの場所を教えられた。
ペコリと今度は私が頭を下げる。
教えてくれた先輩にお礼を言い、教えられた通りに教室へ向かい、着くと中へ入った。
教室の中には、まだほとんど人はいなかった。
それもそのはず。
入学式が始まるまでには、まだかなりの時間がある。少し早く出過ぎたと後悔したけど、今更どうしようもない。
とりあえず、黒板に張り出されている席順の紙を見て自分の席に座ってみる。
今までとは違う見慣れない教室に、少しだけ緊張した。