キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
重苦しい雰囲気も、二人が喧嘩して話さないのも嫌なのに何も出来ない自分がもっと嫌。


「アズが責任感じる必要ないよ」


何も言わなくても陽亮には伝わってしまう。

どうしてだろう?


涙腺が緩むのを感じ、陽亮から目を逸らそうとしたら置かれてた手が頬に移動した。
ドキッと心臓が鳴ったかと思った瞬間、陽亮は勢いよく頬をつねった。


「いひゃい~」


伸びた口で喋る私を見て陽亮が笑っている。


「何するのよっ‼」


抓られた部分を摩りながら睨む。


「その調子‼アズは少しくらい気が強い方がいいって」


あっ……陽亮なりに気を使ってくれたんだ。
私が泣きそうだったから。


「まっ、大丈夫だって。そのうち元通りになるんじゃね」


今度は二回頭を軽く叩いて陽亮は立ち上がり友達のところに行ってしまった。


陽亮が残して行った香を吸い込むと元気が湧いてきた。サクラと相談して二人を仲直りさせる計画立ててみようかな。


陽亮の背中を見つめ、叩かれた頭が熱くなると暖かくなった心の中。大丈夫の一言に勇気づけられ、今日の帰りにでもサクラと話してみようと決めた。
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