キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
追い掛けてくる足音を空いた教室に飛び込みやり過ごす。うずくまった制服のポケットからスマホの振動が響いた。


見なくてもわかる。
わかるから見ない。


声が出そうだったけど押し殺して泣く。

初めて恋を知って初めて傷を知った。
フラれたのとは違うかもしれないけど、フラれるより辛い。

聞きたくなかった裏切りの言葉が、思い出したくないのに頭から耳から離れない。




どれくらい同じ姿勢でいたんだろう。
脚が痺れて来て、瞼が重たくなって時間を思い出す。


腫れた瞼のせいで視界が狭い中、どうやって家まで帰ったか思い出せない。


ベッドに深く身を沈めポケットの中のスマホに手を伸ばし、スマホの画面を見ると沢山の着信とメール。

どれも見る気になれなくて目をそらすと、また手の中で震えた。


枕の下に押し込んだら震えが顔にも伝わってきて、自然と雫が瞳から零れ落ちて染み込んだ枕に涙が画を描いた。


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