キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
今まで否定してきたけど確信してしまった。確信出来たのに、初恋はもう終わってしまっている現実。

それが悲しくて、それが痛くて ……
見えない心が血を流しているんだ。



「ツバキはさ~、しっかり者ってことをアピールして上に立ちたいだけなんじゃない?」

「は?誰がいつそんな事言ったよ。カエデは遊びに行く時だって計画立てるの人に任せてばかりじゃん」


こんな時なのに、カエデとツバキの火は留まるところを知らないみたいで喧嘩を始めてしまった。


「やめなって‼今日はアズサを励ますから一時休戦だって言ったじゃない」


オロオロするって言葉通りのオロオロ行動。私も二人を仲直りさせたいけどパンク寸前で頭が回らない。


「だって、カエデがさ……」


やめてよ、二人共。
もう聞きたくない。


「違うよ、ツバキが悪いんじゃん」


いがみ合う姿を見たくないよ。
大切な友達同士が相手を傷つける声なんて聞きたくないよ。


気付かぬうちに両方の耳を手で挟み、光が入らないくらい目をきつく閉じる。


「だからカエデが……」
「ツバキが……」


嫌……‼


もうやだよ……

もう――……


いい加減にし……


ガターン‼‼

「いい加減にしなさい‼‼」


立ち上がった拍子に椅子が倒れるくらいの勢いで立ち、聞いたことの無い大きな声で怒鳴ったのはサクラだった。
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