キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
サクラの涙が止まる頃にはいつもの私たちに戻っていた。


「で、で?何があったの?」


カエデが興味津々で私の落ち込んでいる理由を聞いてきた。


なんだかこの数日間が嘘みたいに普通過ぎて、陽亮との事も忘れるくらい可笑しくなってしまった。

これくらいが調度いい。



私は陽亮と何があったか話して聞かせた。
話しているうちにまた悲しくなってきたけど、みんなが一緒に悲しんでくれているから悲しみが半減しているのを感じていた。


「それってアズサを弄んだってこと!?」


目を吊り上げカエデが怒る。まるで自分の事みたいに。


「でもさ。陽亮君、何か言いかけたんでしょ?メールとかは読んだ?」


サクラはまだ陽亮を信じてるみたい。

私はサクラみたいには陽亮を信じれずにいて、それが辛い。


「見たけど話がしたいってしか入ってなかった」

「なら話し合わなきゃ」


置かれた手にそっと手を重ねられ、サクラの顔を見ると優しい天使の微笑みだった。
その上にツバキとカエデも重なり重みが伝わる。


二人も何も言わないけどサクラと同じ意見なのが微笑んだ顔が物語っていた。

私もそれに応えるよう頷く。


恐いけれど逃げてても仕方ない。
傷付いたらきっとみんなが一緒泣いてくれるから頑張るよ。
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