キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて


見慣れた帰り道。
あの角を曲がると陽亮との待ち合わせ場所。


単なる直感だけど、いる気がする。
今日はメールもなかったし、帰りに見かけなかったから。


サクラたちと別れ、一人で自転車をこいでいるときから予想していた。近づくにつれて、それがどんどん大きくなってる。

速度を緩めてその場所を確認するようゆっくり覗いた。



「お帰り。遅かったな」


真っ直ぐ私を見る陽亮。
私もそれに応えるよう陽亮を見つめる。


「時間ちょっといい?」


風に乗ってここまで陽亮の香を運んできた。やっぱり好きだな、この香。

頷き、陽亮の後ろを家とは反対方向へ自転車を走らせる。学校へ行く時通る公園へ向けて。


走っている最中、いつもみたいに時々振り向き着いて来ているのを確認する陽亮。

大丈夫だよ。
逃げたりしないから。




キーコー 、キーコー……

辺り一面に広がる夕焼けの紅く染まった公園の中、座ったブランコの音だけが聞こえる。
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