キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
昼間は小さな子供や母親たちで賑わうこの場所は、夕方になると人気が無く今日は陽亮と私以外誰もいない。

通り過ぎる車のライトと空高く舞う鳥も、家に帰ろうと急ぎ足で過ぎ去って行く。


陽太はまだ無言のまま。
何か言って欲しいけど言って欲しくない。

受け止めると覚悟したのに真実を聞くのが怖くなってきた。


ブランコの軋む音が一つ消えた。
陽亮は動きを止め顔だけこちらに向けている。


「ゴメン」


一言呟く陽亮は苦しそうに顔を歪めていた。


なんで謝るの?
それってからかってたって認めてるの?


「もういいよ……」


立ち上がり、これ以上何も聞きたくなくて入り口に向かう。歩く足が震えてるけどなんでもないとばかりに普通を装って歩いた。


「待てって!」


追いかけて来た陽亮に今度は捕まってしまい、腕を痛いくらいに掴まれた。


「離してっ」

「頼むから最後まで聞いて」
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