キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
第6章
クリスマスイヴの夜……
今年初めての雪が舞い散っていた。
屋根を覆う薄い雪が幻想的で、痛いくらいに刺さる感覚を見ているだけで緩和させる。
息を吹きかけ温める指先だけが赤く、その他は白に包まれた世界。玄関先で震えながら舞い散る雪を眺めていた。
「はよっ!中で待ってろってメールしたじゃん」
朝から爽やかだなー、コイツ。
って、朝から格好いいなコイツ。
陽亮から本気告白された次の日から陽亮は毎日家まで迎えに来て、取り付けられた荷台に乗ってニケツして登校している。
付き合ってるわけじゃないから断ったけど、仔犬の目を武器に断り切れない雰囲気にさせられた。
完全に陽亮のペースに持って行かれてる。
ニケツ登校を運悪くカエデに目撃され、散々冷やかされたけど今は当たり前になってる風景。
陽亮の後ろに乗り、腰に手を回すと背中から温もりが私に伝導してきた。
学校から歩いて数分のファーストフード店で業後のひと時をみんなで過ごしていた。
流行りの音楽が流れる合間に、毎年恒例のクリスマスソングも流れている。
「クリスマスデート待たずに付き合っちゃえばいいのに」
ココアの入ったカップで手を温めながらカエデが言う。