キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
気を遣うという言葉は三人には皆無らしく、解放されたのは一時間後。

待ってると思うと気になって時計ばかりに目がいった。


メールを打つとすぐに返事が返ってきて、店を出ると陽亮の姿が一分もしないうちに店の前に現れた。


「わざわざ寒いのにごめんね」

「いいって!俺がしたいからしてるんだから」


キューン――
漫画の中だったら陽亮のバックにはバラが背負われていただろう。

そんで、私の目は有り得ないくらいキラキラしていただろう。



「あっついあっつい」


後ろでわざとらしく手をパタつかせるカエデとツバキが棒読みで言う。サクラは口に手をあてクスクス笑っているし。

忘れてた。みんながいるのを……。


「そんなんじゃ……!!」


焦るけれどハイハイと軽くあしらわれ邪魔しちゃ悪いと付け加えて、三人はニヤリと笑みを零し帰って行った。


明日が怖い……。
何言われるのやら。


「あいつらマジおもしれーな」


陽亮は直接からかわれないから暢気に言うけど、事あるごとにからかわれる私は辛いものがある。


「んじゃ帰るか」
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