キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
女の子らしく荷台に横座りをし、腰に手を回すと背中から温かさが私に移る。

私の重みの分、スピードが落ちているのかわざとゆっくり走っているのか。


「クリスマスどっか行きたいところある?」


今週末に迫った決戦の日。
戦うわけじゃないけどケジメをつけなきゃ。

自分の気持ちを伝えるのを想像するだけで、爆発しそうな心臓と戦ってるのを陽亮は知っているのだろうか?


行きたい場所を考える余裕なんてはっきり言ってない。


「うんと……陽亮に任せるよ」

「じゃあラブホで決定」


ボカリと回した手を鳩尾におみまいする。
自転車がバランスを崩し、陽亮が咳込んだ。


「あぶねーって‼冗談に決まってんだろ」


陽亮が言うと冗談に聞こえないっつーの。
こちとら、ぴかぴかのヴァージンなんだから‼

とは言えない。


「まっ、考えとくから楽しみにしてて。土曜日だし朝から空けといて」


返事をする代わりに回した手で強く陽亮を抱きしめた。

その手に陽亮の手が重なり、わかってくれたみたいで自然と笑顔になった。

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