キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
行き着いた先はカラオケボックス。
一学期最後に訪れた場所で、成長してないなーと思うと笑えてくる。
カウンターで部屋番号の付いたカゴとマイク二本をもらい中に入った。
「ついに明日からアズサも彼氏持ちかー」
カエデがマイクを持つ手の小指を立てて、なにもマイクを使って言わなくてもいいんじゃないかって思う。
そして何故か部屋の中は怪しいピンク色の照明に包まれていて、白い壁もピンク色に染まっている。
ツバキが照明を調節する辺りを触っていたからツバキの仕業だな。
「まだそうと決まったわけじゃないよ」
「えー、なんで?」
色の白いサクラの顔までもピンクの照明に照らされて同じ色になりちょっと怖い。
「まあまあサクラ。アズサはまっじめーだから自分の気持ちを伝えるのは陽亮君が最初にしたいわけだよ」
サクラの肩にツバキは腕を乗せピンク色の頬を突く。ツバキの言う通り真面目かどうかは置いておくとしても、陽亮に最初に打ち明けたい。
みんなには言わなくてもバレてるだろうけど。
サクラも納得したのかそれ以上は聞いてはこず、カラオケの曲が書かれた分厚い本をめくりコントローラーで決めた曲の番号を打ち始めた。