キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて


翌朝。
部屋中に箪笥から引っ張り出され、たたまれていた形をなくした服の山。

朝から浴びたシャワーの余韻を頭に巻き付かれたタオルが残す。


服を決めてから髪巻いて、それから……それから……

あ゙ー、やること多すぎて目が渦になってて積まれた服がぐるぐる回る。


どれもこれも今日という聖なる日にしっくりこなくて、苛立ち冷めた頭からも湯気が昇りそう。


一枚一枚引っ張り出しては体に当て、放り投げ別の山を作って行く。洋服一枚でこんなに悩むとは恋は恐ろしい。


ブルッと恐ろしさとは別に湯冷めで身を震わせる。

真冬だっつーの‼


それでも選んだ服は哀しいかな、ミニのデニムスカートに防寒とオシャレを兼ねて黒のレギンスを合わせてみた。


初めてのデートにはスカートが常套というマニュアルが私の中にはある。上も出来るだけ薄着でコートで寒さをごまかす。


完璧っ‼

あとは普段ほとんど巻かない髪を念入りに巻いて、女の子らしく見えるよう仕上げる。


メイクにも気合い十二分で挑む……が、時間がない‼

完璧とまではいかないけど、鏡を覗くとまあまあだろう的なもの。
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