キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて

―――――
―――


「まだイテーよ」


時間も遅くなり、再び陽亮の自転車が置いてあるお店に歩きながら頬を摩りぶつくさ言う陽亮。

ったく。油断も隙もない。


「お尻くらいいーじゃねーか。俺ら彼氏彼女だよ?」


キッと睨むとシュンとして、怒られた子犬のような陽亮。


「んなことでどーすんだよ……。これからもっとあんな事やこんな事……」
「うるさい‼まだ殴られ足りないの!?」


ゲンコを振り上げるとさっと身を縮める。
陽亮は陽亮でムードが足りないよね。

じゃあ私は陽亮のどこが好きなんだろう?
じーっと陽亮を観察すると、また殴られると思ったのかびくびくしてる。


自転車の後部の荷台に横座りに座り、私の家までゆっくり進む。


「ねぇ。陽亮は私のどこが好きなの?」

「それ前に言ったって‼」

「あっ、そういえばそうかも」


陽亮にからかわれてるって誤解した時に聞いた気も……。あの時は気が動転しててすっかり忘れてたな。


夜になって更に冷え込み、今にも雪が舞い散りそう。寒いのと、もうすぐ陽亮と離れなきゃいけない寂しさで陽亮の身体に密着する。


「じゃあ、アズは俺のどこが好き?」


背中から響くように陽亮の声が聞こえてくる。その声が少し不安げな色を浮かべてる気がした。
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