キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
テレビから流れる賑やかな音が虚しく響く。


毎年変わらず艶やかな着物を纏ったグラビアアイドルや金ぴかな袴を履くお笑い芸人。

去年までは家族水入らずで過ごすのが当たり前で、特別な出来事がなくてもめでたいと思えた。


でも今は陽亮の顔が見たい。陽亮に触れたい。甘ったるい香水に包まれたい。

電話は毎日かかってくるし、家に来てパパを説得するって言ってくれたのが素直に嬉しかった。


けど、これは私がなんとかしなきゃいけない気がして断った。

パパは陽亮の格好がチャラけてるとか、あんな軽そうな男はダメだとか言ったけど、どんなに真面目そうな人を連れて来ても反対するのをわかってるから。


ただのヤキモチで、幼稚園の頃に言った『大人になったらパパと結婚する』という私の言葉を信じてる親バカなだけ。



パパとの闘いの火ぶたは今日落として砕いて木っ端みじんにしてみせる‼

だって今日は一年の始まりの日。陽亮に会わずには始まらないよ‼
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