キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
ジーッとパパと睨み合うこと数十分。パパも負けじと睨んでいる。

ママがいれてくれたお茶が冷め、温かそうな湯気もない。リビングで一人のほほんとママがたてるお茶をすする音のみ響いている。



「陽亮のどこが気に入らないの!?」


冷めたお茶を飲みバンッと強く叩きつけるよう置くと、テーブルの上にお茶が飛び散った。


「気に入らないものは気に入らないんだ‼」

「だからどこが!?」

「軽そうな頭に軽そうな見た目。どこを取っても気に入らん!アズサも騙されてるのがわからないのか‼」


カチン――
今のはきた。かなりきた。
陽亮を理解しようともしないパパに言われたくない。


私も最初は同じだった。でも今は違う。
陽亮は最高に優しいし、誰よりも私を想ってくれてる。

なのにこんな言い草許せない‼


「もういい‼パパにわかってもらおうと思った私がバカだったよ。……パパなんて大嫌い‼」


ガーンとフライパンで殴られたようにショックを受けるパパを置き去りにしてリビングを飛び出した。

そのまま部屋へ行き、スマホと上着だけ持ち玄関まで駆け抜ける。


「どこへ行くんだ‼」


悟ったパパが慌ててリビングから出て来て、呼び止めるのを無視して家から飛び出した。
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