キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
飛び出す私、追い掛けるパパ。
途中ドテッと後方で音がして走りながら頭だけ振り向くと、カエルのように転ぶパパが目に入る。


駆け寄り起きるのを手伝おうか迷ったけれど、心配な気持ちだけ置き去りにして前に向かって走った。


今立ち止まったら堂々巡り。突き進むべき道が私にはある。飛び込みたい胸がある。




行く当てもなくグルグル路地を曲がっては走り、走っては曲がりを繰り返す。


息……くるし……。もう無理。

ゼイゼイと肩で息をして、止まった場所は陽亮から告白された公園の前。


たくさん走った気がしたけど着いた先は家の近くで、今まで家出経験のない私には飛び出してはみたものの近場の公園が限界みたい。

情けないけどこれが現実。


ふらつく足取りで公園内に居場所を求め迷い込む。とは言っても迷う程の広さじゃないけど、今の私は迷子の子供のよう。


何が悲しくて元旦から家出して寒さに凍えなきゃならないんだか。
長く深いため息と不安を吐き出した。


陽亮と座ったブランコに腰掛けてあの日を思い出す。
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