キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
「……ただいま~」
ゆっくり玄関を開けて控えめな帰還。
開けると仁王立ちのパパが怒りと半泣きの色が交ざった顔で立っていた。
「どこに行って」
「おじゃまします」
私の後ろからひょこっと顔を出したカエデの顔で、爆発しかけた言葉を飲み込む。
私を押しのけ三人が前に出ると、パパは肩幅に広げていた脚を狭め紳士なパパを演出する。
「や……やあ、いらっしゃい」
何故ここに三人がいるのかを飲み込めずにいると、奥のリビングからママが出てきて招き入れた。
「あらまあ、寒かったでしょ?中に入って。温かいココアでいいかしら?」
揃って大きく頷いた三人は、靴を脱いで住人である私より先に温められた部屋へと消えていく。私も靴を脱ぎ揃え、オロオドしたパパの横を通り過ぎてリビングへ向かう。
通り過ぎる時パパの顔を盗み見ると、目だけキョロキョロ色々な方向へ動かし状況整理しようとしてるみたい。
この後更にパニックに陥るとも知らずにね。作戦通りならばだけど。