キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
鳴った瞬間、ツバキがニヤリとしたのは……気のせいじゃないみたいね。


玄関でママの『あら、まあ‼』と甲高く驚く声と共に愛しいあの人の声。


「突然スイマセン。お話したい事があって」


突然過ぎて、危うく持っていたココア入りマグカップを落としそうになった。きちんとテーブルに置き、私も玄関へ向かう。


「陽亮‼どうしたの?」

「俺、やっぱりお父さんとちゃんと話したい」

「え??」


電話では私が何とかするっていうのを納得してくれたのに、急にどうしたんだろう。
考えている隙に、陽亮は靴を脱ぎ『お邪魔します』と言いながらリビングへと入って行く。


「ちょ……陽亮‼」


中にいるサクラたちを素通りし、リビングの横にあるキッチンにいるパパを見付けて陽亮は頭を深く下げた。


「この間はスイマセンっした‼俺、アズ……サさんを大切にします‼だから付き合うこと許して下さい‼‼」


パパは目を丸くして、目の前のオレンジブラウンの頭を見つめている。


私も陽亮の言葉が嬉しくて、なんで陽亮がいるのかとかどうでも良くなるほど感動的な一言だった。
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