キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
第7章
絶対な約束
気が付けば冬が終わりを告げる季節で春が芽吹く。
つまりは学年が変わり四人一緒にいられる時間が短いってこと。運が良ければ同じクラスになれるかもしれないけれど、その確率はかなり低い。
「旅行とか行っとく?」
カエデが季節限定ポッキーをくわえながら言う。
「卒旅でもないのに?ムリだって。お金ないしさ」
ツバキがカエデからポッキーの箱を奪い取り、二本いっぺんに口に入れた。
「あっちょっ‼限定であんまり見かけないんだから食べすぎないでよ!
……でもそうだよね。バイトしてないしさ」
カエデは奪われた箱の中を見つめ、個包装になった袋が一個しかないのをため息混じりに開けるか開けないか迷っている。
私たちも限定された時間の中、どれだけ楽しく過ごせるか、どれだけ多くの時間を共に出来るのか。
ただそれだけ。
でもそれが無性に虚無感があって楽しかった時間が短すぎて寂しさだけを煽った。
「クラス変わってもうちらは変わらないじゃん」
残りの一つとなったポッキーの袋を躊躇い無く開け、サクラはそれを頬張りだす。
「みんな食べないの?」
キョトンと小首を傾げて差し出した。