キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
「よくよく考えたら、泊まりなんてパパが赦さないよ」


いつかは私も体験するだろうとは思ってたけど、まさかこんなに早く訪れるとは想像してなかった。


イヤとかじゃないし、寧ろ嬉しい。でも怖くて先延ばしにしたい。

何か理由をつけてでも。


「その点なら大丈夫‼うちらが協力を惜しむと思う?」


ニッと悪そうな笑顔で両側から肩を組まれた。


陽亮との付き合いを認めてもらうのに、協力してくれた三人。

感謝してます。
でも今は丁重にお断りしたい……


「うちら親友じゃん‼アズサの為に一肌脱いじゃうから」


セーターを捲くり上げ、三人は私の不安をよそにお泊りに向け計画を練っている。


カラオケに来たはずなのに時間いっぱい計画を立てるのに専念する三人を見ていたら、断れない雰囲気だと察し覚悟を決めざる得ない。


初体験前はみんな不安じゃないのかな?


「アズサ?」


微かにサクラの声がして、力なく笑ってみる。堪えきれない涙と共に。
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