キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
「ああああのっ‼お母様なんですか?」

「嬉しい‼もうお母さんと呼んでくれるの!?」


荷物ごと私の手を握り、ぶんぶんと上下に振られた。


「はじめまして‼‼鷹居アズサです!ふつつか者ですがよろしくお願いします‼」


手を握られたままペコッと頭を下げる。

ってこれじゃあ嫁に来たみたいな挨拶だ。
顔が真っ赤になるのを感じて、下げた頭を上げられない。


「オフクロ、アズが困ってるって。
いいから部屋行こ」


お母さんから引き離し、陽亮が私の手をとる。


「もうっ。少しくらいいいじゃない。せっかちだと嫌われるわよ」


腰に手をあてた姿は、やっぱり若くて可愛らしい。

連行される前に、ママがサクラの両親にと渡したケーキの箱を陽亮のお母さんに手渡す。


『まぁ、ご丁寧にありがとう』と言って、陽亮が出てきた部屋へと入っていく姿を見送り、部屋の横にある廊下を陽亮に連れられ進んだ。
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