キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
降りて行くとパンの焼けたいい匂いが漂ってきて、つられるようにあの大きな二枚扉を開く。


「おはよう。もう出来てるから座って」


陽亮のママが笑顔で出迎え、その手には美味しそうなパスタの乗った皿がある。


「おはようございます。すみません、手伝います‼」

「いいのよ、もう終わるから。アズちゃんは座ってて」

「でも……」

「陽が無理させたみたいだし」


私の後ろに立つ陽亮を意地悪な目で見つめ肩を竦めた。

最初、理解出来なくて、でもその意味を突然理解するとボンッと頭が爆発を起こす。


「うっせーよ。わけーんだから仕方ねーじゃん」


爆発したまま放心状態の私の手を引き椅子に座らせると、陽亮はママさんに負けないくらい意地悪な視線を投げかけた。


陽亮のバカー‼なんちゅーことをっ。


「食わねーの?」


全く動揺してない陽亮はバクバクとパスタを口に運んでいる。


「いっいただきます……」



動揺しまくってた私は味わえなくて、食べ終わってから美味しかったですと心無く言うしかなかった。
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