キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
カチャカチャと食器を鳴らし、陽亮のママと並んで片付けをする。ママさんは断ったけどそうもいかない彼女の立場。

陽亮はのんびりソファーでテレビを見ている。


「やっぱり女の子はいいわね」


ママさんが洗われた食器をナフキンで拭きながら微笑んでいる。


「陽なんて全く手伝ってくれないし。女の子が欲しかったのよね、私」

「でも私も家ではあんまり手伝わないんです」


そうなの?とクスクス笑うママさんは可愛い。雰囲気、サクラに似てるから落ち着くのかも。


「アズサちゃんみたいな子が娘になってくれたらな~って」


お皿をつるりと滑らせそうになり泳ぐ魚のような皿を慌て掴む。


「陽ね。アズサちゃんが初めて連れて来た女の子なのよ」


陽亮に聞こえないよう耳元で囁かれて目を丸くする。


「だからアズサちゃん。陽をよろしくね」

「はっはい‼」


泡の付いた手で敬礼すると陽亮が不審がった。でもママさんと二人の秘密と言ってはぐらかし、拗ねる陽亮を見て笑い合った。



先のことなどわからないけど、もしも陽亮と未来を歩んで行くとしたら。こんな可愛いママさんがいる家に来るのもいいかもしれない。


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