キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
サクラはともかく、カエデとツバキからも何の攻撃もない。

いや、有り難いんだけど。
聞かれても答えに困るし、何より陽亮との特別な思い出だから大切にとっておきたい。


でも聞かれないのは不安になるのは、いつもの意地悪な環境に慣れたせい?

ってどんだけ私はいじめられてるんだか……





気が付けば何もないまま懐かしい我が家の前。懐かしく感じる程、陽亮といた時間がこの身体に染み込んだせいかもしれない。


「今日はホントにありがとね」


心から三人にお礼を言う。特別な時間が過ごせたのはみんなのおかげだから。
満面の笑みを浮かべる私に、三人は顔を見合わせ意地悪な瞳をしている。

……嫌な予感


「まさかこのまま帰れなんて言わないよね?」


輝く程の笑みの三人の背中に小悪魔の羽根が見えた瞬間。

やっぱりただでは済まなかった。


渋りながらどうぞと言って家の扉を開けると、満足げに私の前を通り三人は入って行った。
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