キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
着替えに化粧ポーチ。
最低限の荷物を持ち引きずられるようにサクラの家に着く。


ほとんど目と鼻の先にカエデの家があると教えられ、見ると青い屋根がちょこんと見え、あそこだとカエデが指さす。


『江城』と古い木で造られた表札の木造の古い家がサクラの家。サクラのイメージとは違ったけど、なんか納得のこじんまりした家をギーっと音を立て玄関が開く。


「ただいまー‼お母さんいるー?」

「お帰り。あらそちらは?」


廊下の奥のガラス戸から出て来たサクラのお母さんは、サクラを年取らせた感じで優しげ。目尻のシワを深く刻ませ、笑う顔は年の割に少女のよう。


「お母さん、アズサだよ」

「まぁ‼いつもサクラから名前は聞いてたから会いたいって思ってたの」


パタパタとスリッパを鳴らせ、私たちに近付き私の手を握る。


「はじめまして‼今日はよろしくお願いします」


連行されて来たものの、お世話になるお礼は忘れない。

サクラにそっくりなお母さんに言うのは不思議な感じだ。


「お母さん‼アズサが困ってるから」

「ごめん、ごめん」


慌てて繋いでた手を離し、奥に引っ込んでいった。
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