キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
学校特有の匂い。

がやがやとした雰囲気。

汚れた廊下にボロい教室。


「式が終わったら集合ね!」


カエデが端っこの教室の扉から入り、続いてツバキが隣の教室へと入る。


「サクラ、ハンカチ持ってきた?」

「もち!二枚も持って来ちゃった」

「サクラは泣き虫だからな~」


笑って言ってみたけど、私も二枚くらい持ってこればよかったと後悔。

すでに泣きそう……


「足りなくなったら貸すからね」


下から覗き込み、気持ちを見透かしてる眼で見てくるサクラ。


「……もしかしたら貸してもらうかも」

「ふふっ。アズサって泣き虫だもんね」

「うっそ!言われたことないし、サクラに言われちゃおしまいだー」


わざとふざけて言う。
じゃないと式が始まる前から号泣の最悪パターンになりそうだったから。


「マジ借りたくなったら頼むわ!じゃあ後からね」


サクラが教室の中に入って行くのを見送り、私も自分のクラスへと入る。





簡単な先生の話が終わる頃、私たち三年生が呼ばれて廊下から体育館へ移動した。
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