キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
「なんか変だよね」


ポツリとサクラが涙を浮かべ呟く。
その顔と、その言葉の意味を黙って待つ。


「こんなうちら変だよ‼」


ぐっと下唇を噛み強い眼差しを向け、取り戻した輝く笑顔を向けた。


「そうかも……。そうだよね!騒がしくないうちらなんてうちららしくないよね‼」


ツバキがサクラの言葉の意味を汲み取り、バシバシと私とカエデの背中を叩いた。


「いったー!ツバキの馬鹿力‼」


カエデがツバキを叩き返し、私も便乗してツバキの背中を叩く横でサクラが声をあげて笑う。


「ハァハァ……いてて」


結局サクラをも巻き込んだ背中の叩き合いは、お互いを励ましあってるよう。

新しい環境でも『頑張れよ』の意味。


フッと笑顔が零れてそれぞれの顔を仕草をこの眼に刻み込む。



「……じゃあまたね」


ツバキが今度は優しく私の肩に手を置く。


「……うん。“またね”」


私だけ別方向だからカエデとサクラもツバキの手に自分の手を重ね、そしてぐっと掴む。


「「「じゃあ、またね‼」」」


三人の手が離れ、ゆっくりと三人を乗せた自転車が走り出す。

それを見送るように両手を振り上げて、人目も気にせず三人に向かって叫んだ。


「またねー‼‼絶対四人で会おうねー!」



これは『約束』なんかじゃない。

同じ『想い』を、陽が傾ききった夜空に浮かぶ月の下、みんなに届くように私は叫んだ。



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