キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
第8章

全てを掠って行った雨






キャンパスに続く長い坂を夏の陽射しが強い中、陽亮と並んで歩く。


「あっちー」


パタパタとTシャツをはためかせ、汗を乾かす仕草がちょっぴりドキドキさせる。


「サーティワン寄らない?トリプル食べたい‼」

「おー、いーねー!って講義は?」

「……」

「わーったよ。サボるんだろ?」


上目遣いと無言の訴えに弱い陽亮の弱点をくすぐり、作戦は成功。大学へ向かう道を回れ右して、人の波に逆らう。





ガラス張りの中の色とりどりの鮮やかなアイスをカップにぎゅうぎゅうに敷き詰めてもらい、空いたテーブルに向かい合って座る。


「んまーい」


スプーンにレモンキウイのシャーベットを掬い頬張ると爽やかな味が口いっぱいに広がった。


「俺にも食べさせて」


口を雛鳥みたいに開けてあーん待ちの陽亮に同じシャーベットを運ぶ。

周りの女の子たちが羨ましそうに私たちを見つめている。相変わらず格好良くて、相変わらず優しい陽亮。


しっ幸せ~~

ほにゃっと顔を緩めると『アイスそんなに美味かったんだ』と勘違いの陽亮。


勘違いってことは敢えて言わない。
言えばまた陽亮は喜んで人目も気にせず私を抱きしめるから。



「そういやーさ。あいつらとは会ってるの?」
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