キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
会話すらほとんどしたこともなくて『好きです』なんて言われても、振ってしまう悲しさだけが残るだろう。

だからこそ、本当の自分を見て、知って。
そう願ってきたのは私たちはみんな知っている。


クシャクシャっと三人同時にサクラの頭を撫で、無言のままサクラに微笑みかける。


「良かったね」


私がそう言うと、サクラはうっすらと瞳の中に涙を光らせた。





サクラと大揮君の関係のいきさつやら自分たちの最近の話を散々した後、店を出ようと腰を上げる。


「ちょっと待って‼」


そんな私たちをサクラが引き止めて、もう一度椅子に腰を落ち着かせる。


「どうしたの?」


ツバキの問い掛けに躊躇いがちなサクラ。

カエデとツバキに『何だろう?』とアイコンタクトを送ると、二人は肩を上げてわからないと伝えてくる。


「あっ、あのね……みんなにお願いがあるんだ」


視線をテーブルに落として消え入りそうなか細い声でサクラは呟く。
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