キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
サクラを取り囲むように座り、マイクをカエデが持ち、景気付けの一曲を歌い出した。

ただ歌詞はでたらめで、内容はサクラを冷やかすものになってる。


顔を赤らめて『もー、カエデやめてー』とマイク無しで絶叫する。

曲が終わり、カエデはいじめに満足したのか行儀よく椅子に座った。


「ついに明日っすね」

「そうっすね」


何故敬語?
カエデとツバキの恒例漫才は敢えてスルー。

乗らせると乗りまくる習性を熟知している私はコホンと咳ばらいで二人を鎮める。


「明日、うちに泊まることにすればいいんだよね?」

「うん。カエデとツバキの家は近すぎてバレる可能性あるしさ」


あれだけ近かったら親同士の繋がりもあるだろう。

だからサクラと大揮君の明日からの旅行の為に私は一肌脱いじゃいます‼


祝福とやっと出来る恩返しを兼ねて、家にしようと自分から提案した。



「明後日には帰ってくるんだけど、お土産渡したいから明後日の夜空いてる?」
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