キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて

―――――
―――

「今頃旅行先に着いた頃かなー?」


腕を組み、陽亮とショッピングをしながらも思い出し笑いを含む。


「やーらーしっ、何想像してんの?」

「だってあのサクラがだよ!?彼氏と旅行なんて今まで想像すらつかなかったサクラがだよ!」


組んだ腕を振り回しながら力説する。


「サクラちゃんも夢見る少女じゃなくなったってことじゃん」


そうだけど、それが少しだけ寂しかったりもする。

天使がいるならサクラが羽根を背中に携えたイメージがある私は、純粋で無垢なままでサクラはずっといるんだろうと思ってた。

もちろん、彼氏と肌を合わせたからってサクラの高潔さは失われはしないだろうけど。


「じゃあさ俺らも旅行行く?」


耳に吐息がかかるくらいの距離で色っぽく言われると、背中にぞくりとしたものを感じる。


「じゃあ、の意味がわかんないし」


いちいち陽亮の言動に動揺してると察せられたくなくて平然を装う。


「……行かかないの?」


こんな時に仔犬の眼で見られたら拒否出来ないのを陽亮は知っててわざと言う。


「……行くけど」


悔しいくらいにとことん陽亮に弱い私。
目に見えて喜ぶ陽亮が可愛くて格好よくて、あっさり負けを認めてしまうのだ。
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