キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
陽亮は少し大人っぽい服が置いてある店に入り手招きする。


「旅行の時はこれ着て来て」


飾られた洋服の中の一枚を指さし、それを視線で追うと布が少なめのピラピラしたワンピースがある。


「こっこんなの無理‼」

「なんで?似合うと思ったのに……」


またシュンとした陽亮。

確実にわざとだろ‼










「ありがとうございましたー!またのご来店お待ちしてますー」


紙袋の中には陽亮が選んだ服。
買ったのは浮かれた陽亮。

胸が大きく開いていて、背中もまる見え。
こんなの着れるか!?


思いつつも、プレゼントが嬉しくて紙袋をギュッと抱きしめた。隣の陽亮は満足そうに微笑んでいる。

その笑顔を見ていたら、恥ずかしいけど頑張って着てみようと思えた。




「明日夕方までなら空いてるんだよな?昼くらいに迎えに行くから」

「うん、よろしくー!」


そう言って、免許を取りたての陽亮の車を降りようとした時、腕を引き寄せられキスされた。キスするお別れの挨拶は恒例になっている。


「じゃあね」


何度もキスを重ねたのに今でも心臓が跳びはねる。

小さくクラクションを二回鳴らせて車を走らせ、見えなくなってから家に入るのも恒例。



明日、サクラからどんな話が聞けるんだろう?


陽亮から貰った洋服の入った袋がカサカサっと鳴り、浮かれ気分を上昇させた。


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