キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
どれくらい時間が経ったのか?
それさえも曖昧で、まだ実感が湧かない。
コンコンッ
ドアをノックする音にも反応が出来ず、ただ視線が定まらない方向を呆然と見詰める。
「アズサ、陽亮君いらっしゃったわよ。電話に出ないから中に上がってもらったけど……どうしたの?」
様子のおかしい私に気付いたママは傍に寄り私の肩を持ち身体を揺らす。
でもそれにも反応が出来ない。
「陽亮くーん!ちょっと来て!アズサがおかしいのよ」
階下にいるだろう陽亮をママが呼ぶ。
階段を慌てて昇る音がして、開いたままの私の部屋に入ってきた陽亮をゆっくりと視線だけで捉える。
「よ……す……」
覚束ない足取りで陽亮へと駆け寄り抱き着く。
「何があったんだ?」
「……クラがサクラが……ウワーー」
私はそのまま陽亮の胸で泣き崩れた。
何も言わず、私を抱きしめてくれる暖かい腕の中で泣いた。
外から雨音がザーっと鳴り、全てを掠って行った雨が全てを運んできたかのように……
雨はそれから数日間
止むことはなかった