キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
翌日の告別式も陽亮が迎えに来てくれたあと、カエデの家に寄り二人を乗せ斎場へ向かう。
長い髪を一縛りにすると黄色いピアスが光った。
「アズサもして来たんだ。実は私たちも」
そう言って、二人はピアスを見せた。
ツバキは緑、カエデはオレンジ。
サクラはピンクのピアスを選んだっけな。
「葬式に光る物ってタブーじゃねぇ?」
顔をしかめ、光るピアスを陽亮は見た。
「そうだけど……今日は特別」
「そっか」
頭をポンポンっとされ、また涙が出そうになったけど我慢をする。
あと少し……あと少しの我慢。
呪文のように言い聞かせる。
告別式でも啜り泣く声や鳴咽が立ち込める。サクラが多くの人々に愛されていた証拠。
その中で私たちも静かに涙を流した。
存在を強調する小さな棺は最後まで開けられる事はなかったのは、サクラが受けた衝撃が強すぎてもうサクラであった形を残していないから。
手向ける花に囲まれて見送られるのが通例なのに、それさえも出来ず拳を握り締めた。
最後にサクラのお父さんが弔問客に向かい挨拶をする。
「本日はお足元の悪い中、足を運んで頂いて本当にありがとうございます」
深々と礼をして続ける。
「本来ならサクラの顔を見て行って欲しいところですが、それは叶わないことをお許し下さい。
ですが、手向けの花の代わりにサクラの友人である彼女たちから言葉を送って欲しく思います」
そう言い、私たちの傍まで来て『お願い出来るかな』とマイクを渡された。