キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
自分の耳を触り、ピアスの感触を確かめるようピアスを握る。


「なので今日はお許し下さい」


私が頭を下げると両端のカエデとツバキも同時に下げた。


静かだった会場内がざわつく。
ゆっくり頭を上げると、ざわついていた会場内はまた静まり返る。


「私たちが出会ったのは高校一年生の時でした。

毎日くだらない事で笑い、時には泣いて、喧嘩もして……

でもいつも中心にいたのはサクラだったよね。サクラが私たちの緩和剤で、サクラの優しい笑顔にいつも助けられてたよね」


思い出すと記憶と共に涙が込み上げ、とめどなく流れ落ちる。

ポツポツと床を濡らして行く涙の雨。
今は止まなくてもいい。いつか止む時が来たら、サクラを忘れてしまいそうだから……

だったら枯れるまで流し続ければいいんだ。
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