キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて


年が明けたらあっと言う間に成人式当日。
過ぎ去る行く年を振り返る暇もなく、慌てて来た新しい年。


早朝から着付けに髪のセットに忙しく、パパがこの日の為に買ったカメラを構えて写真を撮るのも軽くあしらう。


「もうっ‼何枚撮れば気が済むの?」

「あと一枚だけ!可愛い娘の晴れ姿を撮りたいパパの気持ちわかってくれ」


頼み込まれ仕方なく引き攣った笑顔を作る。


ピンポーンと、チャイムの音がして撮影会を強制的に終了すると残念そうにカメラをしまった。慣れない着物に息苦しく歩きながら玄関を開ける。


「おはよ」


眩しい陽射しをバックに眩しいくらい格好いいスーツ姿の陽亮が私を迎える。


「すっげ似合ってるじゃん」


成人式の会場は違うのに、着物姿を見たいとわざわざ迎えに来てくれた陽亮は、当たり前のように褒めてくれる。

和装がそうさせるのか、いつもよりおしとやかに頬を赤らめる私。


「行ってきます」


とこれまたおしとやかにパパとママにご挨拶をして、陽亮の車に乗り込んだ。
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