キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて

迷える子兎




翌日は、起きたのが7時過ぎていた。
たった一日で緊張もとけ、たっぷり睡眠を取る事が出来て頭もすっきりしている。

でも、この時間に起きると自慢の脚力をフルに生かさなければ間に合わないかも。


それでも朝食はしっかり食べてしまう。
ママに『朝からよく食べるわね~』なんて言われるくらいに。

育ち盛りだから、食べても食べてもお腹が空くんだもん‼



部活を引退してからはろくに運動をしていないのに、運動していた頃と変わらない食欲。

きっと胃が大きくなっているんだよって、誰かに食べ過ぎを咎められた訳でもないけれど、たくさん食べる言い訳は用意してある。



時計の針が待った無しで進んでいるのを見て、急いで残りの朝食を膨張した胃にほうり込む。

時間が無いのに、パンに添えられていたタマゴを一欠けらも残さず食べ終わると『ごちそうさま~』と言って、部屋までダッシュで行った。


制服に着替え、高校生らしくと言ったら変だけど薄く化粧もしていく。愛用のブラウン系のアイシャドーを薄く塗り、それに合わせたオレンジ系のチークとグロスを手早く塗る。

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