キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
「ほんっと、サクラってバカが付くくらい真面目だったよね」

「だね」


カエデに相槌を打ちつつ今日が何の日か改めて確認し合う。


1月10日。
今日はサクラのハタチの誕生日。

そう、サクラが夢見ていた日。


成人式の日が誕生日なんて、なんだかサクラらしくてそれも笑っちゃったっけ。

名実共にってやつ。


だから今日はメニューを見て何にしようかなんて迷う必要はない。頼むものなんて決まっているから。


「お決まりでしょうか?」


渋店員がタイミングよく現れ揃って頷く。


「ビールを……四つ!」

「四つ……ですか?」


目の前の客は三人なのに頼んだビールが四つで再確認を入れられる。


「はい。四つでお願いします」


きっぱりと言うと「かしこまりました」と少し訝しりながらも軽く頭を下げた。


「四つで良かったよね?」


悪戯っぽく二人に笑いかけると満面の笑みが返ってきた。
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