キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
中学の頃は学校には化粧なんてして行けないから、制服に化粧が浮いていない自分が少しだけ大人になった気分。

鏡に写る自分は今までと違う制服姿に二日目だからまだ見慣れない。時間がないというのに、何度もメイクのチェックや制服の乱れがないかを確認する。


これから自転車に乗り、今は乱れてない制服が乱れる事をわかりきっていて無駄だと知っていても綺麗に整えてしまう。

案の定、数分後にはしっかりスカートの中にしまってあったシャツが飛び出す事になった。



自転車に跨がり、必死でペダルを漕ぐ。
せっかくのアイシャドーが汗で落ちてしまうんじゃないかと心配になったけど、時計を見るとそんな事を気にしている余裕はなさそうだ。



入学二日目からこの調子では、先が思いやられるな……

この先『鷹居アズサは遅刻常習犯』だと先生たちから噂されるのも遠い未来じゃない気がしてきた。


でもそんな未来を現実にしないよう、目覚ましの時間をあと5分早めようかな?それとも電動の自転車を買ってもらえるよう、娘に甘いパパに頼もうか迷うけれど。


パパ程は甘くないママが我が家の財布を握っている事を思い出し、目覚ましを早める方向で行こうとそれほどかたくない誓いをこっそり立てた。


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