キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
私たちも、まだ入学二日目だから下手に歩き回ると迷いそう……。
まあ、学校の構造って難しくないから迷うと言ってもたかが知れているけど。



一年生の教室は、一応全て見て回った。
この学校は、学年毎に階が別かれているからここの階にいなければおかしい。

でも、どの教室を覗いてもサクラの姿は見当たらなかった。



やっぱり迷子になってるんなんて、ツバキ達の思い過ごしかも。

私には、どうしても学校内で迷うなんて信じられなくて、ついそう思ってしまった。


私も方向音痴な方だけど、さすがにこんな『学校』という小さな空間の中で迷子になった経験はない。

見知らぬ街や、旅先で迷子になった事はあるんだけど……。それで両親を何度も心配させた事を思い出すけれど、懐かしさに浸っている状況でもない。



そろそろ予鈴が鳴る頃。
焦りもあり、二人に私の考えを話す事にした。


「サクラ、もう教室に戻ってるんじゃない?さすがに他の階に行くとは思えないし……」

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