キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
なにおーー‼どーせ私なんて……

私なんてぇ~~うぅ
みんなみたいに綺麗じゃないのはわかってるさ。

可愛いげないさっ。グレてやる~~~


「違うって‼とにかく鏡見てみろって‼」


ツバキは私の考えを見抜いたように私に訴えかける。


まったく……。人の気持ち読まないでよ。
ただでさえ、顔にすぐ出るタイプなのに。

心の中で文句を言いつつも、鞄の中から鏡を出して自分の顔を見てみる。



ビクッ‼‼

鏡の中の私は獲物を捕らえようとするハンターの目で、鋭い眼光を放ち、ハンターなのに血に飢えたケモノを思わせる表情。


ハハッ……
こりゃ男も逃げるわな。


自分でさえ鏡の中に映る自分に怯えてしまうくらい。この顔で声でも掛けようものなら、私だったら確実に逃げる‼

絶対『喰われる』って本能で悟るもん。


鏡を見て、少し凹んでいたらサクラがまたまた穏やかな声で話し掛けてきた。


「アズサは、普段通りにしてれば可愛いんだから。すぐに彼氏なんて見つかるよぉ」


サクラはホントに可愛いし、優しいなぁ。

飴と鞭ならサクラは飴。
ツバキはともかく、カエデなんて確実に鞭だもん。傷ついているのに、その傷をエグって笑う‼

ツバキは賢いから、たぶん上手く使い分ける気がするな……。

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